研削・研磨とは「研磨と研削のことばの違い」について
この「研磨」と「研削」の言葉は、製造業では同じ意味を持つこともありますが、使い分けられることもあります。
「研磨」とは、広い意味で、削りとる作用に注目した場合は「研削」という意味も含まれます。
ただ狭義的には、研磨は加工対象物の表面を磨き磨き込んで鏡面を出していくラッピング加工だけを表現することもあります。
この場合、ラッピングやポリッシング、バフなどの仕上げ工程の研磨に対しての意味となり、研削といったときは、表面を物理的に削り落としていくことを意味します。
鏡面に近い仕上げ面粗さにするときには「研削」というよりは「研磨」という方が一般的です。
「研磨」と「研削」の用語が使い分けられている状況では、「研削」は粗から中仕上げ、特にラップと表現される「研磨」は仕上げ工程となります。
特性
研削盤では、平面研削盤・横軸ロータリー平面研削盤、円筒研削盤(外径研磨加工機)、内面研削盤やインータナル加工、センタレス研削盤などがあります。
研削盤を用いた加工では、表面粗さに限度があり、特に優れた面精度を出すためにはさらなる研磨が必要なケースがある場合は、ラップ研磨をします。
研磨の構成上、加工対象物を磨くときには砥粒が「刃物」として作用するため、その大きさだけでなく、研磨中にそれらがどれくらい切り込んでいるのかという部分も重要となります。
ラップは加工に時間がかかりますが、制御が比較的簡単に高精度に行うことができるのも特徴です。
研磨機となる加工機は、両面ラップ盤、片面ラップ盤、ポリッシング盤の3つあります。
ラップ研磨とは、定盤の上に加工対象を置き、スラリー等の液体に溶いた研磨材を用いて上下の定盤の回転運動におり表面粗さを極限まで高めていく仕上げ研磨方法の1つです。
研磨機(ラップ盤)には、両面ラップ盤と片面ラップ盤の二種類があり、その名が示す通り、「両面」を同時に研磨するか、片面ずつ研磨するかの違いです。
両面ラップ機は上定盤、下定盤、工作物を保持するキャリアで成り立っており、さらにいくつかの加工方式に分類できます。
片面ラップ盤の場合、定盤にやわらかい素材を使い、流し込んだ砥粒が定盤に刺さった状態で磨きこんでいくハードポリッシュ加工と、研磨材と定盤の間にパッドなどを敷いて砥粒の切り込みをより浅く制御するソフトポリッシュ加工、硬い定盤を用いて遊離砥粒を用いた通常のラップ加工があります。
なお、仕上げ研磨の業界では、ポリッシングはラッピング後の最終仕上げに相当する加工で、専用のポリッシング盤を使用して加工します。
対応材質
- 金属
- セラミック
- 結晶材料
- 石英ガラス/サファイアガラス
- プラスチック
特徴
- 超高精度の加工が可能になる。
- 超硬、鉄鋼材料(ハイス鋼、ダイス鋼、炭素鋼など)、非鉄金属(銅、アルミなど)、ガラス、石英、石材、プラスチックなどあらゆる素材に適応できる。
- 砥石は、ダイヤモンドホイールやCBN砥石、WA砥石、GC砥石などの研削砥石を使用して加工する。
用途
- ウェハ(シリコン、SiC単結晶、サファイアガラス、セラミック)
- 基板(セラミック、サファイアガラス)
- 光学ガラス
- セラミック