切削とは
切削加工は、製造業で何かを削り出す手法は不可欠ともいえる加工方法です。研削も広い意味では切削と考えることができますが、一般的に切削は「刃物」による加工方法で、砥粒を付着させた研削工具・研削砥石(ホイールや軸付き砥石)で加工する研削とは異なります。切削工具の多くは、超硬やハイス、ダイヤモンド焼結体、CBN焼結体、ダイヤモンド単結晶などを「刃物」として用いており、加工の性状はどれもこの刃物を使って削り取ることです。
切削加工を大きく分けると、直線切削と回転切削に分けることができます。直線切削は、高速回転する加工物に、バイトを直線的にあてて形状を作っていくような加工のことで、加工機しては旋盤となります。回転切削は、回転する工具で加工表面を削っていく加工や、バイトを用いた中ぐり加工、旋削、ドリルやリーマを使った加工等になり、加工機としてはフライスやマシニングセンターとなります。
切削加工はCNC制御のマシニングセンターの登場とともに、機械別に分かれていた加工が一台でできるようになり、環境は大きく変わりました。
最近では、XYZの3軸にさらに2軸やそれ以上の回転軸を加えた5軸制御のマシニングセンターや旋盤に回転切削の機能を加えた複合旋盤も登場しています。
多軸が主流になり、機械の高精度化に伴って、切削加工だけでもかなりの面精度まで実現できるようになりました。
こうした背景から、研削や研磨などのコストのかかる工程を省くところも出てきています。
すべての加工で研削や研磨を省くということは現実的ではありませんが、一部の素材では既に切削のみで相当の面精度を高度な品位で出すことができます。
用途
切削加工ではアルミ、ステンレス、鉄・鋼材、真鍮(黄銅)などの金属材料の他に、スーパーエンプラやプラスチック、汎用樹脂などの非金属材料を加工することができます。
切削加工の用途は、半導体・FPD製造装置や医療機器、光学機器、産業機器など、幅広い分野の部品に活用されています。